漁港の肉子ちゃんを読んで
漁港の肉子ちゃん
肉子ちゃんとその娘の物語。物語は娘の視点から書かれてます。
漁港の生活ってこんな感じなのかなと思いをはせながら読むことができました。
後書きをみると宮城県石巻に行った旅行の時のことから小説の着想を得ているようですね。東北に行ったことがない方はこの本を読んで、石巻観光をしてもおもしろいかもしれませんね。
肉子ちゃんをはじめとして肉屋のサッさんさんや鍵屋のマキさん、ペットショップの金子さんなど特徴的な人がたくさん出てきます。
真面目に目立たなないようにやるのが疲れるのはなんかわかる。
主人公は感受性豊かだと思う。
肉子ちゃんがしっかりしてないから、キクリンのしっかりさが目立つのかも。悲壮感がなくてこの小説を読むのが楽しい。
・ダリア (花)
・オーガンジー(布)
何か大きなイベントが起きるとか冒険的であるわけではないけれど、文章を読み進めていくのが面白かった本。
具体的な海の描写やヤモリやトカゲの姿が見えてくるようで周りの環境のイメージが出来きるところも飽きずに読まさせてくれたように感じる。肉子ちゃんとキクコの少しドライに見える関係も読み進めていくうえいいのかもしれない。不満もあるし、恥ずかしくも思うこともあるけれど感謝もしている。それが不快じゃなかった。物語が流れている感じ。二宮が寿センターに行ったり、商店街の猿が逃げて金子さんにあざができたりいろんなイベントになりそうな事があるけどそれはそれとして流れれいく。読んでいてそれが受け入れられるし、その方がいいと思えるのは肉子ちゃんというキャラがいるからかもしれない。人が死んだら悲しい、休日がくれば嬉しい、それが表現できるって素晴らしいし、ちょっと賢くても素晴らしいと思う。物語の中で肉子ちゃんの性格が正解的に肯定されてるわけじゃないし、キクコの方がよしとされているわけでもないから何となく自分も別にいいのかなと思える。
生きていくうえで迷惑をかけないなんて無理な事、別になんか開き直って好き勝手やろうと思うわけでもなく、何か迷惑かもって思う気持ちもひっこめてくれる。そんな物語だった。
欠点が多くて良いところも多いからいいのかもしれない。肉子ちゃんとキクリンが血がつながってなくてもそんなに驚かなかった。この小説のすごいところだと思う。
子供らしいというのは大人の幻惑
街を出たいと思うキクコ
全てを知ってるわけじゃないサッさん
毒を吐くって事も時には大切なのかもしれない。
いろんな人が出てきた。
マリアちゃんを疎ましく思う気持ち、サッさんや肉子ちゃんに迷惑をかけまいと我慢するところ、いろんな面がある。