かがみの孤城を読んで

辻村深月さん著のかがみの孤城を読んだ感想です。この作品は読んだことがある人も多いのではないかと思います。読んだことがなくても題名だけ知っているという人もいるかもしれませんね。文庫版も発行されていますので文庫本派の人にもおすすめです。文庫本は上下巻セットです。

 

※読んだ感想を書いていますので、まだ読んでなくて何も情報を得ない状態で読書をするのが好きな人は読書後またお越しください!

 

 

 

私は以前から気になっていたけど文庫版が本屋に平積みされていたので購入した本です。読む前はもう少しファンタジー色が強いのかなと思っていたましたが、どちらかというと登場人物の細かな心情に重きを置いて描かれている感じがしました。

 

主人公はこころという名前の中学1年生の女の子です。鏡に引き込まれて、立派なお城がある異世界に引き込まれてます。狼のお面を被ったオオカミ様と名乗る少女?がこころを連れてきたみたいです。

 

そこにはこころと同様に連れてこられた中学生の男女。こころを含めて7人の中学生が鏡の世界に連れてこられていました。鏡の中の城と現実世界を行き来しながら物語は進んでいきます。

 

 こころは中学生にあがって同じクラスメイトになった女子にいじめられるよう感じになって学校に行かなくなります。

 真田さん(いじめっ子)みたいな人って実際にいるのかなって思ってしまう私は浅はかな人間なのかもしれないなあと思いました。正直、この子がクラスの中心人物になれるような気はしないけど、女子の感じは分からないから実際はこういう感じなのかなとも思いつつ読んでいました。どちらにせよ、1対多数の構図になると生活環境が限られている中学生だととても辛いだろうなと思います。

 

 大人になってくると行こうとすれば自分が思ったところに行ける。そう思えるのはもう働いて稼げるからかもしれない。でも、実際はそんなにいろんなところに行ってないなぁとしみじみ思います。なんか子供時代のちょっと閉じ込められてる感覚を思い出して、自分の行きたいところや、やりたいことをもっと実現しちゃおうと前向きな気持ちにもなれたりしました。

 中学生は環境が縛られているし、気が向いたら自分の好きな場所に行くとかということが出来ない気がする、環境の自由度は大人より低いのかなあと。

 

 学校でも家でもない鏡の城が物語の場として動いていく。それぞれ、学校に行っていない子供たちみたいだけど、城の中では7人それぞれで人間関係を構築しっていっている。場所というか環境が違うだけで自分のことを表現したり友達を作ったりすることは出来るなあと思いました。

 

 上下巻の文庫本だったので、移動中などちょっとずつ読もうと思ってたら一気に読み進めちゃいました。クライマックス部分からのハラハラ感と伏線の回収が読み切ってよかったと思わせてくれました。時間軸が違うんだろうなってのはなんとなく予想できたけど、いろんなところに伏線が張ってあったんだなと感じました。

 

 

もしかしたらちょっとウレシノのことを侮っていた気持ちはあったかもしれない。隠れたアキを心配する優しい気持ちもあるし、人に大して好きって言えることはよくよく考えたらけっこう勇気のいることだと思うし、結構核心をついたことを言えているかもしれない。例えば、誰も学校にいけてないんでしょとかフウカは普通じゃないとか。きっちりと自分の考えがあるタイプなのかもしれない。

 

物語を通して、思春期の言葉にしても大人に伝わらないと思ってしまう感じとかムカついてしまう気持ちってのが最初上手く、描かれているなあと思ったけど、言葉にしなきゃ伝わらないのは大人になっても同じだよなあと思い直した。

 

ココロとリオンが出会って、今後どう学校生活を送るんだろうとか、ココロは薄っすらとでも鏡の城のことを覚えるのかなとかエピローグでココロとリオンが出会えたように未来の時間軸でもウレシノとフウカは出会えたのかなあとか物語後の想像も楽しめました。

 

伏線に関して

・ナガヒサ・ロクレン

スバルの苗字は出てなかったけど、秋葉原に行ったことや機械に興味があること、自分の名前を考えるところで六連というキーワードが出ていることが出ていてしっかり構成が考えられているなって思った。また、ナガヒサ・ロクレンの名前が出たところでスバルは自分の名字と一緒だったからちょっと変な気分になったのかもしれない。もしくは、この時の話を覚えていてゲームを作る人になるよって言ったていう可能性もあるのかもしれないなと思う。

 

7匹のこやぎの物語をちゃんと知っていればバツマークがついていたところで時計の中に鍵があるとか気づけたのかなあ。

 

ハワイから来ているリオンが特別だというのはもう少し気にしてもよかったかもしれない。

 

 

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